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血液検査データのAI解析について

血液検査の歴史は19世紀にはじまり戦後大規模な検査センターも生まれ人類の健康管理には欠かせない客観的な指標として医療診断、健康診断等で利用されています。ペットにおいても同様に日本中の獣医さんが院内、検査センターへの外注等で利用されています。血液検査は30数項目の血液学検査、生化学検査に分類され測定されています。またこの検査項目はこの複数項目の各データの組合せに対し、医師・獣医師が各数値がどのような意味を持つかを判断し、診断のための有効な指標の一つとなっています。

 

一方で弊社が行う血液検査AI解析は、この血液検査に医学の知識を全く用いずに、統計解析をAIで行ったのものとなります。つまり、血液検査の30数項目に一切医学的意味を持たせずに、あくまで各数値項目がそれぞれ診断された病気と数学的にどういう関係があるのかを調べたもので、新たにデータを投入した時にその病気のリスク度合を統計解析の結果として示しています。

それではこの血液検査AI解析がどのように生み出されたかをご紹介いたします。

2008年から東北医科薬科大学と東北公済病院が共同でヒトの甲状腺機能異常症を血液データから早期に絞り込むAI解析の研究を進めていました。その研究に2016年から弊社が加わり、2018年にはそのAI解析モデルを宮城県内の複数の病院や都内の健診センター等でご利用を開始頂くことになりました。

 

弊社はこの手法がヒトのみではなく犬猫の各種重大疾患の早期発見に活用できるのではないかという助言を一般社団法人ペット未病研究会より頂き、弊社と同研究会が全国の獣医師から血液データをお預かりして犬猫向けに血液データをAI解析し、疾患の早期発見の支援を提供するAI解析モデルの開発に取り組みました。その結果、重大疾患として腎臓、肝臓、等の疾患についてリスク度合いを数値で表示できるモデルの完成に至りました。現在犬猫生活株式会社より「血液検査プラス」という名称で飼主さん向けサービスとして提供頂いております。同様に犬猫の数種のがんのリスク度合をAI解析の結果としてご案内する「犬猫AIがん検査ペトスク」を公開しています。

 

開発当初は医師や獣医師からはAIを参考情報として用いることへの懐疑的なご意見も数多く頂きました。ま飼主さんの費用負担が増えるのは難しいとのご意見もありました。しかしながら近年の生成AI等のAI活用の普及が進むにつれ、より多くの獣医師から血液データAIで解析への問合せが増えてきました。あくまで獣医学的な診断は獣医師が行いますが、ヒトと違い問診ができないペットに対して早期診断する時のサポートツールとしての有用性に対して期待が高まっていることを強く感じます。

本郷データサイエンス株式会社

代表取締役COO 小西 泉

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